2011年12月17日土曜日

丸木美術館・Chim↑Pom 1

埼玉県東松山市の「原爆の図丸木美術館」で、2011年12月10日から12月18日まで、Chim↑Pom展「LEVEL7 feat. ヒロシマ!!!!」が開催されているので、行ってきました。

この美術館は初めてなので、Chim↑Pomの前に、丸木位里・俊の《原爆の図》を見ます。《原爆の図》としては、1950年に描かれた《幽霊》から、1982年の《長崎》まで、15作が作られています。

美術館の2階には、《原爆の図》の中でも最初に描かれた《幽霊》があります。これを見ていろいろ思う事があります。
原爆投下後3日目に広島に入った丸木位里は、何かを記録しなくてはという想いを持ったのだと思います。でも、丸木位里が現地を見てから絵を描き終えるまで5年間かかります。この間に、丸木は、なぜ描くのか、何を描くのか、どう描くのか、思いを巡らしたことと想像されます。それは何だったのでしょうか。
今、60年経って、この作品を観て感じるのは、恐怖とか・怒りとか・政治的なメッセージといったものよりも、人がこんな場に居合わせなくてはいけないというトラジディーです。爆弾を作るに至った不条理、爆弾を落とすに至った不条理、爆弾の下にいる運命にあった不条理、人が戦いを続ける不条理、生き物が戦いを続ける不条理、戦いを原理とする遺伝子淘汰の不条理。そんなものを表現したいという強い意志を感じます。

このようなテーマの絵が日本画の手法で描かれたというのも、興味深く思われます。四曲一双の屏風画の形式で、墨絵の伝統を使った手法で表現されています。

《原爆の図》のある2階の部屋を、この作品郡に感性の波長をどう合わせるべきかと考えながら何巡かした後に、1階のChim→Pomのほうに廻ります。これは次のBLOGで報告します。

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