2011年12月24日土曜日

ザ・ベスト・オブ・山種コレクション

昨日、2011年12月23日に、山種美術館で行われているザ・ベスト・オブ山種コレクションを見に行きました。前半と後半に展示替えがあり、11月12日から12月25日が前半で江戸絵画から近代絵画へ、1月3日から2月日が後半で戦前から戦後へとなっています。

近代の日本画は、私が敬遠していた分野で、どう接したら良いのかと迷いがありあます。誤解を恐れずに言えば、近代日本画は日本という特殊な環境の中でのガラパゴス絵画なのか、またガラパゴスでも良いけれどそこに何か感じられるものがあるのか、という思いです。
また今回の展覧会に関して言えば、タイトルに、何故、”ザ・ベスト・オブ”とか、”コレクション”とか、英語をカタカナ表記で使わなければ行けないのかというのも疑問です。近代日本画って何なんだろう。

そんな思いは置いておいて、本当に置いておけたのか自信はありませんが、作品を見てみました。

展示会は、琳派から始まっていました。このへんは日本画という言葉も無い時代の作品ですから安心して見られます。俵屋宗達と尾形光琳の《四季草花下絵和歌短冊貼》、いま手元に図版もありますが、この微妙な色や線は図版ではわかりませんね。できるものなら欲しい。酒井抱一の《秋草鶉図》、草の線、ちょっと入った色の具合、これもいいですね。
反対側の壁には、岩佐又兵衛の《官女観菊図》、池大雅の《指頭山水図》、そして鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、東洲斎写楽、歌川広重、葛飾北斎、なるほどいいな。

ここからが問題の近代日本画。
橋本雅邦の《日本武尊像》、官の学校の先生ですから、日本の歴史画を描かなくてはということかな。
川合玉堂が漢画からだんだん離れて日本の原風景的なものを描くようになるのを見ます、日本の原風景にあまり思入れのない私としては、それがどうした感、玉堂先生ごめんなさい。
菱田春草の《月四題》、批判精神を忘れて、なんかいいな。ガラパゴスでもいいや。
下村観山の《老松白藤》、大作ですね、桃山時代の豪壮さとも、江戸時代の整った感じとも違う六曲一双の屏風絵。大正10年の作。ヨーロッパでは第一次世界大戦が終わり、ロシア革命が起きたあとの作品ですね、でもここにはそんなこと知らないという世界があります。
竹内栖鳳の《斑猫》、これは超絶技巧、いい猫だな。でも、それを描いてどうするんですか栖鳳さん。
上村松園の美人画、8頭身以上ある、近付き難いきりっとした女性達。
安田靫彦の《出陣の舞》、織田信長が人生五十年といいながら舞っている所です、こえは昭和45年の作品。ということは86歳のときの作品。洋画の画家が早く死んでしまっているのに比べると日本画の画家の寿命は長いですね。どんな絵を描いたらいいんだというストレスが少ないのかな、などと言っては失礼でしょうか。
速水御舟の《名樹散椿》、これは構図が斬新。また、図録ではわからないと思いますが、背景の金色のグラデーションがたいへん微妙で美しいですね。

と、怖いもの知らずで、勝手なことを言った、今日のブログでした。
来月の後半も見に行きましょう。

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