2011年12月12日月曜日

津波と美術館

3月11日の東日本大震災では、岡倉天心が1905年に茨城県五浦に建てた六角堂が流失してしまいました。

神奈川県には神奈川県立近代美術館葉山館など、海に近い所に美術館があるので、大丈夫かなと思い調べてみました。

神奈川県は津波浸水予想図の素案をウェブ・サイトで公表しています。そこには、明応型地震、慶長型地震、元禄型関東地震と神縄・国府津-松田断層の連動地震、を想定した浸水マップがあります。

明応地震は1498年に発生した房総から紀伊にかけて大きな震度を記録した地震で、鎌倉大仏まで津波がきたという地震です。(大仏殿自体はこの前には既になかったという記録もありますから、これで大仏殿が破壊されたとは言えないようです)
慶長地震は1605年に発生した地震で、揺れはそれほど大きくなくても、津波が発生するタイプの地震です。
元禄地震は1703年に発生した地震で、房総半島から伊豆半島にかけて大きな揺れがあり、鎌倉では8mの津波が発生し、鎌倉の二の鳥居まで浸水したという記録が残っています。

その浸水マップで見る限り、神奈川県立近代美術館葉山館は、すこし高い所にあるので、とりあえずは津波被害からは免れそうですね。

もう少し調べていると、神奈川県を中心に展開している本屋さんの有隣堂が出している出版物「有隣」平成15年10月10日号に、神奈川県立近代美術館葉山館誕生(1)という記事がありました。その記事の中で、当時の神奈川県立近代美術館館長の酒井忠康さんが、関東大震災の時の津波が6、7mであったので、この美術館は1階が10mの条件で作ったという話をされているのが、載っていました。

想定外の災害であっても大丈夫なように、美術館の作品を守るための対策は十分考えていただきたいですね。

左の写真は神奈川県立近代美術館葉山館の「レストランオランジュ・ブルー」です。
写真には写っていませんが、左の下が海、右側が美術館になります。

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