2012年1月22日日曜日

北京故宮博物院200選 No2

今日は東京国立博物館で行われている北京故宮博物院200選展に再び行ってきました。前回は1月4日に行って清明上河図を中心に見たのですが、今日はその他の作品をじっくり見ました。天気は良くなかったのですが、日曜日ということもあり会場はかなり混んでいました。私は今日はパスしましたが、清明上河図のほうは210分待ちとなっていて、建物の外まで列がのびていました。

全体を通して改めて気づいたのは、一言で中国といっても、その実体は多様な民族の関わりがあり、中国の美術もその中で形作られてきたということです。

文人画が発達した北宋・南宋の後は、モンゴル民族の元王朝(1271−1368)となります。普通の感覚でいうと、他民族に支配される時代にはそれまでの文化は廃れてしまうのではないかと思ってしまいますが、そうならないのが元の時代の面白いところです。いろいろ葛藤はあったのでしょうが、宋に仕えていた人が元にも仕えて大きな影響力を持ったりしています。
今回の展示品の中でも、元のものは良いものが来ています。例をあげると、
趙 孟頫(ちょうもうふ) 《水村図巻》
朱德润 《秀野軒圖卷
柯九思 《清閟閣墨竹図軸


清(1644−1912)は女真族の王朝ですが、真の皇帝がチベット仏教を信仰していたというのは初めて知りました。
チベット仏教はチベットが7世紀から14世紀にインドから直接取り入れた仏教で、後期密教の強い影響を受けています。
チベット仏教関係の展示にも面白いものがあります。

《大威徳金剛(ヤマーンタカ)立像》、清時代
《宝生仏坐像》、インド・バーラ朝
《観音菩薩立像》、チベット
《上楽金剛(チャクラサンバラ)立像》、チベット

今回は《乾隆帝是一是二図軸》の展示が凝っていました、図は乾隆帝が中国の歴史的文物に囲まれ、文人の姿で描かれているというものです。展示室には、そこに描かれているテーブルや、青銅器・陶磁器などが一緒に展示されています。この軸は清朝が意識的に漢民族の伝統の上に成立しているのだということを示す興味深い図になっています。

さすがに中国は奥が深いですね。中国美術への関心がますます強くなりました。





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