2012年1月7日土曜日

ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト展

2011年12月3日から2012年1月29日まで、神奈川県立近代美術館葉山で開催されている、「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト」見に行きました。
この展覧会は、福島県立美術館を中心とした国内のコレクションと、ハーバード大学附属フォッグ美術館のコレクションを中心に構成してあり、ベン・シャーンの1920年代から60年代までの、絵画、版画、写真、ポスター、レコード・ジャケット、挿絵など多様な活動の広がりを紹介するものになっています。日本では作者没後すぐの1970年の展覧会、1991年の回顧展についで、3回めの大規模なベン・シャーン展になります。
この後、名古屋市美術館、岡山県立美術館、福島県立美術館に巡回されます。

展覧会を見ると、ベン・シャーンにとって、社会や社会の中の個人が、強い関心の対象であったことがわかります。これは、20世紀アメリカで主流であった抽象表現主義やポップ・アートなどが、人にたいする直接の関心をあらわにしないのと比較すると、際立って感じられます。
もう一つ感じるのは、ベン・シャーンの作品のアートとしての魅力です。そこには、ベン・シャーン独特の作品の線の力強さ、なるほどそうだと思わせる形態の捉え方、図と文字とを一体化させる表現、があります。一度見たら忘れられないような表現がたくさんあります。

この展覧会から、人のリアリティが大事と言う、ベン・シャーンの大きな”メッセージ”が感じられました。

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