2012年1月29日日曜日

平家納経、平清盛展

江戸東京博物館で、NHKの大河ドラマにちなんで、「平清盛展」が行われています。平家納経が展示されているというので、見に行きました。日本美術の入門書では、平安時代の美術として平家納経が必ず出てくるので、ぜひ一度見たかったというのが理由です。
さすが大河ドラマの影響か、会場はちょっと混んでいました。昨年、江戸東京博物館のヴェネツィア展に行ったとき、見たかったカルパッチョの絵になかなかいきつかなかったのを思い出し、今回はその轍を踏まないように、最初に平家納経に足を向けました。

平家納経は、平家一門が繁栄を願い、1164年に厳島神社に奉納したものです。平家納経は、願文、法華経28巻、無量義経、観普賢経、阿弥陀経、般若心教の全33巻で、平家一門の人が一巻づつ書き写しています。一巻づつ写経する「一品経」は当時流行っていたそうです。料紙には雁皮紙を使用し、表裏に金銀の箔や砂子が撒かれ、豪華に仕上がっています。見返し部分にはその今日の内容を表す絵が描かれています。
なぜ神社に経を奉納するかというと、本地垂迹説で、厳島明神の本地は十一面観音であるということになっていたためです。

今回の展覧会に展示しているのは33巻のうち、平清盛願文、法華経信解品第四、法華経法師功徳品第十九、法華経陀羅尼品第二十六、の4巻です。残念ながら見返しの絵の部分はかなり不鮮明になっていましたが、それにしてもできたときの豪華さは想像できます。

平家納経を納めていた、金銀荘雲龍文銅製経箱もすばらしいもので、特に龍が良いですね。

平家納経関連以外では、平安期の王朝風仏画の基準となる作例と言われている、京都国立博物館所蔵の十二天のうちの《伊舎那天》も興味深く見ました。伊舎那天は十二天のうち東北を守る天です。

平清盛展は、2012年1月2日から2月5日までの開催です。




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