2012年1月9日月曜日

ぬぐ絵画―日本のヌード 1880-1945

東京国立近代美術館で、「ぬぐ絵画 日本のヌード 1880-1945」が2011年11月15日から2012年1月15日まで開催されています。

こういう展覧会を待っていました。

明治以降、日本人が西洋美術の大きな領域であるヌードに、どう取組んできたのかを、見せてくれます。

ヌードを描こうとした時、困難さは2つあると思われます、一点目は、性的なものにもなってしまう裸を、どう描き・どう人の目に触れさせれば良いかという点、二点目はケネス・クラークが『ザ・ヌード』の中に書いているように、西洋のヌードはあるがままを示すnakedではなく理想型を示すものだとすると、それを日本でどのように受容したら良いかという点、です。

この展覧会では、明治初期ヨーロッパに渡った百武兼行のヌードの絵など最初期から始まり、明治時代の洋画をリードした黒田清輝がいかに苦労してヌードを日本の中に持ち込んだか、《智・感・情》のような寓意画のようで寓意画でない変な絵がなぜできたのか、そんな状況を萬鉄五郎はどう打開して自らのヌード表現をしていったか、と進んでいきます。一つ一つに関連するデッサンや解説がついていて、なるほどと思わせられます。

さらに、梅原龍三郎、熊谷守一、古賀春江、安井曽太郎、小出楢重が、ヌード表現をどう展開させたかが非常に明確に示されています。ポーズや、ヌードを置く場面設定、リアルか理想か、などいろいろな試行錯誤の跡がよくわかります。

この展覧会の素晴らしい点は、美術史を、分析的に資料を付けてわかりやすく解説していることにありますが、もうひとつ感心したことは、多くの作品が今見ても古くさくなくこれは良いなと感じさせるものであった点です。西洋絵画の先駆者を侮れないですね。

もう会期修了まで短いのですが、ぜひ見ることをお勧めします。

展覧会のウェブサイトには、キュレーターの方の、パンフレットや展示方法へのこだわりも書かれています。
http://www.momat.go.jp/Honkan/Undressing_Paintings/index.html#outline

参考資料、
『ザ・ヌード』ケネス・クラーク著、高階秀爾、佐々木英也訳、ちくま学芸文庫
『現代の眼 590』特集1、ぬぐ絵画ー日本のヌード 1880-1945




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