2012年1月7日土曜日

『アイ・ウェイウェイは語る』を読む

今回の登場人物に関しては、私はまだ、コメントしたり、意見を言ったりできるほど十分にわかっているわけではありません。でも、中国のアート、またアートを超えた中国のことを知るためには、研究してみる価値のある人のようです。

その人は、艾未未、中国での発音は「アイ・ウェイウェイ」、日本読みにすると「がい びび」。

  • 1957年、中国生まれ。
  • 父親が反共であるとされ、新疆に移されたため、子供時代は新疆で過ごす。
  • 後に北京へ行き、1970年代末に北京のアーチスト集団に参加。
  • 1982年にニューヨークへ行く。ニューヨークでは絵画から写真・インスタレーションに活動の軸を移す。
  • 1993年に父親が病に倒れたため中国へ帰る。
  • 1994年から1997年にかけ、当時の中国美術シーンで何が起きているかのドキュメントでありアーカイブである、『ブラック・カバー』『ホワイト・カバー』『グレー・カバー』を作り、キュレーターとしての活動を始める。また中国で最初のオルタナティブ・スペース「中国芸術文献庫」を作る。
  • 1999年、自らの設計で自らのスタジオを作る。これがきっかけとなり、90を超える建築プロジェクトを実現させた。
  • 2008年の北京オリンピック・スタジアムのデザインに関与したが、最終的にはオリンピックにはコミットしなかった。
  • 2006年に中国最大手メディア運営企業SINAからブログを書くことを依頼され、それ以降、ブログを表現手段として利用していく。
  • その後、中国で発生した地震への対応など政府・体制を批判したり、人権活動家馮正虎のドキュメンタリーを作るなど、政治的なメッセージを発信する。2011年4月3日経済犯の容疑で拘束される。6月22日に釈放。
今回、読んでみた本は『アイ・ウェイウェイは語る』ハンス・ウルリッヒ・オブリスト著、みすず書房、2011年11月4日発行。これはハンス・ウルリッヒ・オブリストという、ギャラリーのディレクターであり、美術評論家が、2006年から2010年の間に、アイ・ウェイウェイにインタビューしたものを本にしたもの。
このインタビューを読んでわかるのは、アイ・ウェイウェイが、政治、社会、テクノロジー、アート、建築、写真、ブログでの表現と、全方位に関心を持ち、しかも関心を持つだけに留まらず、それぞれの分野で普通の人が行うことを遥かに超えた活動をしていることです。

この本を読んだのを期に、アイ・ウェイウェイに関して情報を収集してみようと思います。

以下は、私もまだ見ていませんが、情報源になりそうなものです。
森美術館の展覧会カタログ『アイ・ウェイウェイ何に困って?』(淡交社、2009)
AI WEIWEI'S BLOG (The MIT Press、2011) 
この他にもamazonで探してみると、いくつか本が出版されています。



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