ジャン=ミシェル オトニエル(Jean-Michel Othoniel)は、1964年生まれのフランスの作家で、現在はパリ在住です。オトニエルは1992年ドクメンタでの硫黄を使った作品で最初に注目されました。1993年からはガラスを使った作品を作り始めます。2011年にパリのポンピドゥーセンターで開催された「マイウェイ」展には20万人の入館者を集めています。
今回は、1992年から1993年に作られた、ワックス、硫黄、黄ろうを使った作品、《時計皿》《長い苦しみへの入り口》《目》《女予言者の穴》《象ったヴィーナス》から展示されていますが、多くは最近のムラノガラスを使った作品になっています。
《私のベッド》は実物大のベッドをガラスで装飾した作品。様々な色のガラスを直線上に並べたバナーと呼ばれる作品。《ラカンの結び目》《ラカンの大きな結び目》というガラス玉を連ねて紐のようにしそれを3次元にひねり切れ目無く循環するようにした作品。透明な瓶の中の水に様々な形態のガラスを閉じ込めたものを多数並べた《涙》。
私のお気に入りは、2階の真ん中の部屋にあった《ハピネスダイアリー》。これは屏風のように折曲がる衝立てに沢山の桟を配置しそこに深紅のムラノガラスを通してある作品、横3.5m、縦2mの大きな作品です。
オトニエルのガラスを使った作品は、ガラスの硬質な表面の輝き、有機的に微妙に変形した形態、鮮やかな色彩を連ねる諧調、とにかく観て楽しくなることは間違いあありません。
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