2012年2月27日月曜日

福島県立美術館のベン・シャーン展、作品貸出しを断られる

今日の朝日新聞に、福島県立美術館で2012年6月3日から7日16日にかけて開催される予定の「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト」展に、米国の美術館から貸出しを断られたり、又は貸出しの見通しがたたないため、69点の展示を断念した、との記事が掲載されていました。もちろんその理由は、福島の原子力発電所の事故の影響から、作品と同行する人を保護するためです。
断ってきたのは、ハーバード大学付属フォッグ美術館、メトロポリタン美術館、ニューヨーク美術館、他4館とのことです。

「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト」展は、神奈川県立近代美術館葉山館、名古屋市美術館、岡山県立美術館、福島県立美術館の巡回展で、今は名古屋市美術館で開催されています。福島では米国の美術館から貸出しを受けられないということになると、福島は展示内容を変えなくてはいけなくなります。

ということは、今回の約380点ある展示作品のうち、フォッグ美術館の50点前後の写真作品が展示できないことになり、今回のテーマであるクロスメディア・アーティストの写真を使った表現の部分が欠落することになってしまいます。ベン・シャーンの写真作品にはベン・シャーンの社会に対する関心がつよく表されているので、この展示がなくなってしまうのはたいへん残念です。

改めて、福島県立美術館のホームページを見ると、今は、震災復旧と敷地の除染のために、休館中ということで、BLOGには生々しい除染の状況が載っていました。言葉を失いますね。

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