2012年2月15日水曜日

簡単すぎる名画鑑賞術

知らない本屋さんをぶらぶらして、なんとなく気になる本を衝動的に買ってしまうのは、ネット本屋さんにない楽しみです。豊橋の駅の近くの本屋さんでは、新幹線の中で読むのにちょうどよさそうだったので、ちくま文庫から出ている西岡文彦さんの『簡単すぎる名画鑑賞術』を買ってしまいました。

西岡文彦さんは、1952年生まれ、多摩美術大学教授・版画家。著書に『絵画の読み方』、『絶頂美術館』、『モナ・リザの罠』、『名画に見る聖書の世界』など。一般の読者に絵画を知ってもらおうという趣旨の本をいろいろ出されています。

今回買った『簡単すぎる名画鑑賞術』は、1998年に講談社から出版された『私だけがいえる 簡単すぎる名画鑑賞術』を改題し文庫本化し、2011年11月にちくま文庫から出版されたものです。

ダ・ヴィンチ、ウォーホール、デュシャン、モネ、マネ、ドラクロア、レンブラント、スーラ、ゴッホ、クリムト、セザンヌ、ピカソ、モンドリアンなど有名な人を取り上げ、絵画のマーケットが教会・王侯貴族から市民に変わったことで絵のテーマも市民の生活になった、ルネッサンス期には「対象の見え方」を描いていたがキュビズムでは「対象そのもの」を描いた、現代美術はアートとは何かの問いかけ自体をアートにするなど、言われ尽くされていることかもしれませんが、わかりやすく説明されています。美術に関心がありこれから少し勉強してみようかなという方にはお勧めの本です。

私が面白かったのは、「レンブラントの絵にあんなにニスが塗られてしまったのは、ニスを塗った方が乱暴な筆遣いがまとまって見えるという美術家の助言に従ったため」、「マネは薄い色の絵具の上に濃い色の絵具を重ねていた、これは黒い服をきれいに描くため」、「クリムトはマーラーは、繊細であるが量感が無い所が似ている」など。なるほどそうだったのかというような話もたくさんあり、新幹線の中退屈せずに過ごせました。

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