泉屋博古館分館の「神秘のデザイン 中国青銅芸術の粋」展は2回目の訪問で、このブログにも書きましたので、今日は大倉集古館で気になったものの話を書いてみます。
大倉集古館では企画展として「蒐めて愉しむ鼻煙壺 −沖正一郎コレクション−」展が行われているのですが、今日は常設展示の国宝《普賢菩薩騎象像》のほうに注目してみます。
普賢菩薩が像の上に結跏趺坐し合掌している像です。平安時代院政時代の作で、定朝様式の穏やかな顔をもった、繊細な仏像になっています。普賢菩薩は独尊として、法華経を守る仏として、特に女性の信仰を集めたようです。
ついでに国指定文化財等データベースで、国宝・重要文化財の彫刻で、普賢菩薩を検索してみると次の表のようになりました。
名称 | 時代 | 所在地 | 所有者 | コメント |
木造普賢菩薩騎象像 | 平安 | 東京都 | 財団法人大倉文化財団 | 国宝はこれだけ |
木造騎象普賢菩薩及び十羅刹女像 | 平安 | 山形県 | 本山慈恩寺 | 一般非公開 |
木造十一面観音及脇侍普賢菩薩立像 | 平安 | 長野県 | 大法寺 | |
木造普賢菩薩座像 | 平安 | 三重県 | 普賢寺 | |
厨子入木造普賢菩薩像 | 平安 | 京都府 | 岩船寺 | |
木造普賢菩薩騎象像 | 平安 | 京都府 | 妙法院 | |
木造普賢菩薩立像 | 平安 | 大阪府 | 孝恩寺 | |
木造文殊普賢菩薩立像 | 飛鳥 | 奈良県 | 法隆寺 | |
木造普賢菩薩騎象像 | 平安 | 奈良県 | 円證寺 |
普賢菩薩というのは平安時代に信仰を集めた事がわかります。またこの中で騎象像は3体になっています。