昨日、仕事が休みだったので、国立新美術館で始まっている「セザンヌ パリとプロヴァンス」展を見に行ってきました。
今回のセザンヌ展は、単なる回顧展ではなくパリでの制作とプロヴァンスでの制作を対比して見てみようというものです。
生まれ育った場所で、ある意味引きこもって制作できるプロヴァンス。新たな芸術の潮流があり、さまざまな批判にもさらされるパリ。ゴシックの伝統を持つ表現主義的なフランス北部。ロマネスクからつながる構成主義的な伝統を持つフランス南部。セザンヌはその間を20回以上往復したそうです。
展覧会は、初期、風景、身体、肖像、静物、晩年に分けて構成されています。また、作品それぞれには、パリとパリ周辺のイル=ド=フランスで制作された作品と、プロヴァンスで制作された作品とで、キャプションを色分けし、観客に2つの制作場所のどちらで制作したのかわかった上で作品を見るように促す仕掛けになっています。
今回、90点近くあるセザンヌの作品を見て感じるのは、一つは、セザンヌ自ら「印象主義を美術館の作品のように堅固で永続的なものにしたい」と言ったように、それぞれの絵が持つ存在感、二つめは、絵具を筆でキャンバスの上にのせていくことに対する心地良い感じ。
展示会企画者のパリとプロヴァンスという視点も含めて、セザンヌがどうしてこのような絵を描いていったのか、より理解を深めたいと思わせるような展覧会でした。
「セザンヌ パリとプロヴァンス」展は、国立新美術館で、2012年3月28日から6月11日まで開催です。
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