展覧会のサブタイトルに「唐物茶陶から青銅器まで」とありますが、普通に年代を追って考えると「青銅器から唐物茶陶まで」となるのではないかと思いますが、それが逆転している所が面白い所です。つまり、日本での中国美術品の受容は、鎌倉時代から室町時代に、唐物といわれる南画や陶器が入ってきたのが元になっていて、中国の夏・商(殷)・周の物品はだいぶ後になって関心がもたれるようになった、ということをこの展覧会のサブタイトルは表しています。
今回の展覧会は、出光コレクションの中から、唐物と、唐物以前の青銅器を中心に玉器や陶磁器が展示されています。
特に今回は青銅器の展示が多いのですが、出光コレクションのこれだけまとまった青銅器の展示は13年ぶりのことだそうです。
今年は、東京国立博物館の「北京故宮博物院200選」展にも大きな青銅器が何点も来ていましたし、泉屋博古館では「中国青銅芸術の粋」展が行われ住友コレクションの青銅器の充実ぶりを示していました、青銅器に興味がある人にはたまらない展覧会が続いています。
この展覧会には商以前の物品の展示もあります。
- 良渚文化(前5200〜前4200)の、獣面文玉琮、獣面文鳥形玉
- 仰韶文化(前4800〜前2500)の、彩陶双耳壺
- 大汶口文化(前4300〜前2400)の、紅陶鬹
- 龍山文化(前2500〜前2000)の、玉琮片、黒陶高脚杯
- 二里頭文化(前2000〜前1600)の、玉戈、灰陶縄蓆文鬹
私は、今回の展覧会では、商時代の鴟鴞卣(しきょうゆう)が面白かったです。
鴟鴞はフクロウかミミズクで(フクロウと書いてある資料と、ミミズクとかいてある資料があります。手近にある図鑑では、耳のように立った「羽角」と呼ばれる羽毛があるのがミミズクだそうです)、卣は酒を入れるポットです。つまりミミズク型の酒入れです、中国古代の造形は何か変で興味を引かれます。
出光美術館、「悠久の美 唐物茶陶から青銅器まで」展は、2012年4月3日から6月10日までの開催です。
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