2012年4月16日月曜日

ボストン美術館 日本美術の至宝 2回目


昨日の日曜日、東京国立博物館で開催されている「ボストン美術館 日本美術の至宝」展に、2度目になりますが、行ってきました。今回は、日本美術や東洋美術のセミナーを受講している皆さんと一緒です。

前回見たときには、展覧会前半にある、平安時代から鎌倉時代にかけての、仏画、仏像、絵巻に大変興味をそそられ、今回も、もう一度それらの作品を見るのを楽しみにしていきました。前回はすぐ目立つ《馬頭観音菩薩像》や快慶の《弥勒菩薩立像》に目がいったのですが、今回は歴史的に価値がある鎌倉時代の《法華堂根本曼荼羅図》や平安時代前期の《菩薩立像》に引きつけられました。ボストン美術館には、本当に良いものが揃っていて、保存状態も良いのに、改めて感心します。

展示後半では、実は今まで、醜悪としか言いようのない仙人などがでてきて、まったく好きでなかった曽我蕭白を、もしかしたら面白いかもしれないと感じてしまいました。
今回来ている中では、やはり《雲龍図》でしょうか。1763年作ですから江戸時代中期です。高さは165cm、幅は135cmの襖8枚分ありますから、全体では幅が1080cmです。しかも展示されているのは龍の頭と尻尾の部分だけで、実際には胴の部分があったはずということですからすごく巨大な絵ということになります。西洋画で大きいといわれるダヴィッドの《ナポレオンの戴冠式》は高さ621cm、幅979cmですから、横幅では蕭白のほうが勝っていますね。しかもダヴィッドは大勢の人を描いて絵が大きくなっているのに対して、こちらは一匹の龍が全体を占めているわけで、大迫力です。蕭白の絵師としての実力はすごいなと感じます。

帰りに立ち寄った、本館の狩野長信筆、国宝《花下遊楽図屏風》も見ごたえがあり、良い一日でした。

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