ときどき名前ではその内容が良くわからない展覧会があります。「バルビゾンへの道」展もそうかもしれません。
山形県山形市山寺には、後藤季次郎氏の収集品を展示する、山寺後藤美術館があります。今回の展覧会は、その後藤美術館の所蔵品から70点の絵画作品を展示するものです。内容は16世紀から19世紀にかけての物語画、肖像画、風景画、静物画です。そういうわけで、バルビゾンだけに反応して会場にいくと、なにこれということになります。それでも、日本では名前はあまり知られていなくても、当時のアカデミーの絵画ってどんなものという興味がもてるなら、楽しめる展覧会だと思います。もちろん、バルビゾンもありますので、そこだけを目指して観るということでも良いでしょう。
私が良いと思ったのは、シャルル=フランソワ・ドービニーの《川辺の風景》でしょうか。
Bunkamuraザ・ミュージアムでの「バルビゾンへの道」展は2013年11月18日までの開催です。
Musaとはギリシャ神話で文芸の女神です。MusicやMuseumの語源にもなっています。Sphereは英語で分野・領域の意味です。このブログの名前は、このMusaとSphereを合わせました。美術・アートに関して、いろいろ書いてみたいと思います。
2013年11月16日土曜日
2013年11月5日火曜日
古径と土牛 山種美術館
20世紀の「日本画」というのはどうも苦手な領域です。小林古径は1883年生まれ1957年没、奥村土牛は1889年生まれ1990年没ですから、どうみても20世紀の画家です。ちなみにピカソは1881年生まれ1973年没。デュシャンは1887年生まれ1968年没ですから同じ世代です。そこでどうも腑に落ちないのが、確かに古径の花はきれいだし、ネコはキュートだし、清姫はすさまじいのですが、なぜ20世紀にこれを描かなければいけないのかです。
分らないものは追求したいということで、山種美術館の「小林古径生誕130年記念 古径と土牛」に行ってきました。確かに、古径《清姫》連作の「寝所」の、白い衣を掛けて寝ている安珍、撫子色の十二単を着て屏風から除く清姫、全体を引き締める黄色の几帳の色の対比は見事だし、土牛の《蓮》のこの世のものとはおもえない緑色の雲に浮かぶ蓮の花には引き込まれるのですが。でも、「それでどうしたの」という思いはどうしても残ってしまいます。そこで何となく納得したのが、山種美術館で売っていた図録の最初のページに載っている、小林古径の写真を見たときでした。そこには、古径と土牛が着物を着て絵を描いている写真がのっていました。たぶん、着物を着て絵を描くような生き方が良くわかっていないから、古径や土牛が分らないのではないだろうかと。
そんなことを考えながら山種美術館を出て21世紀の恵比須に戻ってきましたが、どうもまだ良くわからないからまた見てみたいが続きそうです。
「小林古径生誕130年記念 古径と土牛」は山種美術館で2013年12月23日までです。
分らないものは追求したいということで、山種美術館の「小林古径生誕130年記念 古径と土牛」に行ってきました。確かに、古径《清姫》連作の「寝所」の、白い衣を掛けて寝ている安珍、撫子色の十二単を着て屏風から除く清姫、全体を引き締める黄色の几帳の色の対比は見事だし、土牛の《蓮》のこの世のものとはおもえない緑色の雲に浮かぶ蓮の花には引き込まれるのですが。でも、「それでどうしたの」という思いはどうしても残ってしまいます。そこで何となく納得したのが、山種美術館で売っていた図録の最初のページに載っている、小林古径の写真を見たときでした。そこには、古径と土牛が着物を着て絵を描いている写真がのっていました。たぶん、着物を着て絵を描くような生き方が良くわかっていないから、古径や土牛が分らないのではないだろうかと。
そんなことを考えながら山種美術館を出て21世紀の恵比須に戻ってきましたが、どうもまだ良くわからないからまた見てみたいが続きそうです。
「小林古径生誕130年記念 古径と土牛」は山種美術館で2013年12月23日までです。
2013年11月2日土曜日
ゴッホ、スーラからモンドリアンまで 印象派を超えて点描の画家たち 国立新美術館
あまり期待しないで観に行ったところ、素晴らしく良かったという展覧会があります。「ゴッホ、スーラからモンドリアンまで 印象派を超えて点描の画家たち」は、まさにそんな展覧会でした。なにしろ展覧会の名前が長い、しかも「ゴッホと色彩の旅へ」とのサブタイトルまでついています。これってどんな展覧会?という感じです。
その内容は、オランダのオッテルローにあるヘレーネ・クレラー=ミュラー氏のコレクションを展示するクレラー=ミュラー美術館の作品を日本にもってきたものです。図録のテキストで長尾光枝氏は、「本展覧会は、ジョルジュ・スーラが開拓し、その盟友であるポール・シニャックが普及させた「分割主義(Divisionism)」という理念とその実践に着目することにより、モダンアートを特徴づけるひとつの類型を掘り出そうという試みである」と書いています。最初からそう言ってくれれば分かりやすかったのにと思います。
点描と良く言われますが、点であることに注目せずに、色を独立させ分割し網膜上で視覚混合させることに意味があると捉えると、「分割主義」になるということです。そう考えると、スーラやシニャックの「分割主義」の成果はゴッホにつながり、さらにそれをモンドリアンが深化させ、ついにモンドリアンの幾何学的抽象にまでつながっていきます。
この展覧会では、様々な「分割主義」の作家を観ることができます。スーラやシニャックはもちろん、アンリ=エドモン・クロス、マクシミリアン・リュス、モーリス・ドニの作品があります。ゴッホも「分割主義」の視点で観ることができます。私が気に入ったのはゴッホの《じゃがいものある静物》。ベルギーとオランダの「分割主義」者、テオ・ファン・レイセルベルヘ、アンリ・ヴァン・ド・ヴェルド、ヤン・トーロップなどフランスの「分割主義」に比べ精神主義的、象徴主義的な作品にも惹かれる所があります。
モンドリアンも、1903年のまだ具象的な《ヘイン河畔の樹》、「分割主義」らしい1909年の《砂丘》、普遍的な美を目指した1913年の《コンポジションNo.11》、成熟期のモンドリアンらしい1927年の《赤と黄と青のあるコンポジション》などが展示されています。《コンポジションNo.11》の前ではずっと長く立ち止まって観てしまいました。
たいへん楽しめる展覧会でした。「ゴッホ、スーラからモンドリアンまで 印象派を超えて点描の画家たち」は国立新美術館で、2013年12月23日までです。展覧会タイトルに惑わされずに観に行ってはどうでしょうか。
その内容は、オランダのオッテルローにあるヘレーネ・クレラー=ミュラー氏のコレクションを展示するクレラー=ミュラー美術館の作品を日本にもってきたものです。図録のテキストで長尾光枝氏は、「本展覧会は、ジョルジュ・スーラが開拓し、その盟友であるポール・シニャックが普及させた「分割主義(Divisionism)」という理念とその実践に着目することにより、モダンアートを特徴づけるひとつの類型を掘り出そうという試みである」と書いています。最初からそう言ってくれれば分かりやすかったのにと思います。
点描と良く言われますが、点であることに注目せずに、色を独立させ分割し網膜上で視覚混合させることに意味があると捉えると、「分割主義」になるということです。そう考えると、スーラやシニャックの「分割主義」の成果はゴッホにつながり、さらにそれをモンドリアンが深化させ、ついにモンドリアンの幾何学的抽象にまでつながっていきます。
この展覧会では、様々な「分割主義」の作家を観ることができます。スーラやシニャックはもちろん、アンリ=エドモン・クロス、マクシミリアン・リュス、モーリス・ドニの作品があります。ゴッホも「分割主義」の視点で観ることができます。私が気に入ったのはゴッホの《じゃがいものある静物》。ベルギーとオランダの「分割主義」者、テオ・ファン・レイセルベルヘ、アンリ・ヴァン・ド・ヴェルド、ヤン・トーロップなどフランスの「分割主義」に比べ精神主義的、象徴主義的な作品にも惹かれる所があります。
モンドリアンも、1903年のまだ具象的な《ヘイン河畔の樹》、「分割主義」らしい1909年の《砂丘》、普遍的な美を目指した1913年の《コンポジションNo.11》、成熟期のモンドリアンらしい1927年の《赤と黄と青のあるコンポジション》などが展示されています。《コンポジションNo.11》の前ではずっと長く立ち止まって観てしまいました。
たいへん楽しめる展覧会でした。「ゴッホ、スーラからモンドリアンまで 印象派を超えて点描の画家たち」は国立新美術館で、2013年12月23日までです。展覧会タイトルに惑わされずに観に行ってはどうでしょうか。
2013年10月27日日曜日
京都ー洛中洛外図と障壁画の美 東京国立博物館
美術品の楽しみ方には、その作品のもつ歴史遺産的な価値を楽しむというのもあると思います。今回の「京都―洛中洛外図と障壁画の美」展は、まさにそのような展覧会ではないでしょうか。
第一部は、洛中洛外図です、前期と後期の入れ替えがあるので、私が行った前期には4点展示されていました。中でも見逃せないのは狩野永徳筆の上杉本、これは以前京都国立博物館の「狩野永徳展」にも展示されていましたが、そのときは混んでいて近くに寄れなかったので、今回は近づいて見ることができました。でも、この展覧会では、東京国立博物館所蔵の岩佐又兵衛筆の舟木本がお薦めのようで、解説も詳しく、デジタル処理した大型スクリーンまでありました。それを見ると豊臣秀吉の数奇な運命をたどった方広寺大仏などが描かれており、歴史を感じます。
第二部には、京都御所にあった狩野孝信筆の《賢聖障子絵》、龍安寺にあった今はメトロポリタン美術館にある《列子図襖》、二の丸御殿大広間 四の間の狩野探幽筆《松鷹図》などが展示されています。これらの展示を観ると、当時はどんな風に見られていたんだろうという想いがわいてきます。
この展覧会で当時の京都に想いを馳せるのも良いかもしれません。会期は2013年12月1日までですが、展示替えがあり、前期は11月4日までです。上杉本を観たければ前期に行ってみてください。
第一部は、洛中洛外図です、前期と後期の入れ替えがあるので、私が行った前期には4点展示されていました。中でも見逃せないのは狩野永徳筆の上杉本、これは以前京都国立博物館の「狩野永徳展」にも展示されていましたが、そのときは混んでいて近くに寄れなかったので、今回は近づいて見ることができました。でも、この展覧会では、東京国立博物館所蔵の岩佐又兵衛筆の舟木本がお薦めのようで、解説も詳しく、デジタル処理した大型スクリーンまでありました。それを見ると豊臣秀吉の数奇な運命をたどった方広寺大仏などが描かれており、歴史を感じます。
第二部には、京都御所にあった狩野孝信筆の《賢聖障子絵》、龍安寺にあった今はメトロポリタン美術館にある《列子図襖》、二の丸御殿大広間 四の間の狩野探幽筆《松鷹図》などが展示されています。これらの展示を観ると、当時はどんな風に見られていたんだろうという想いがわいてきます。
この展覧会で当時の京都に想いを馳せるのも良いかもしれません。会期は2013年12月1日までですが、展示替えがあり、前期は11月4日までです。上杉本を観たければ前期に行ってみてください。
2013年10月19日土曜日
北魏石像仏教彫刻の展開 大阪市立美術館
大阪市立美術館には中国石仏彫刻の山口コレクションがあります。山口コレクションは、もともと関西の実業家であった山口謙四郎氏(1886−1957)のコレクションで北魏、東魏、西魏、北周、北斉を中心とした石像仏教・道教彫刻120点以上からなっています。
今回は、山口コレクションを中心に、東京藝術大学大学美術館、台東区書道博物館、京都国立博物館、浜松市美術館などの作品を合わせて、北魏・東魏の石像仏教・道教彫刻60点を見ることができます。
見所は沢山ありますが、最初に入った所にある、天安元年(466年)の《如来座像》などプロポーションの美しさ、人をひきつける表情、衣文の流麗さなど完成度の高さに驚きます。交脚像・半跏像も一室に集められていて見応えがあります。日本では半跏像というと弥勒が多いようですが、釈迦が太子であった時代に愛馬カンダカと別れる場面の半跏像があります。珍しいところでは、平行した線で装飾された平行多線文造像の道教像が見られます。平行した線の模様はリアルな衣文が彫れなかった地方様式のようですが、装飾としてのおもしろさがあります。また、地方に展開し造られた、頭の大きな如来像や、中国古来の日月の模様が彫られた碑像もあります。最後の部屋にある雲崗石窟請来の仏頭、龍門石窟の供養人行列図など石窟寺院請来の品々も見逃せません。
大阪市立美術館での「北魏石像仏教彫刻の展開」は2013年10月20日で終わってしまいますが、またぜひ近いうちに同様なテーマで開催してもらいたい展覧会でした。
今回は、山口コレクションを中心に、東京藝術大学大学美術館、台東区書道博物館、京都国立博物館、浜松市美術館などの作品を合わせて、北魏・東魏の石像仏教・道教彫刻60点を見ることができます。
見所は沢山ありますが、最初に入った所にある、天安元年(466年)の《如来座像》などプロポーションの美しさ、人をひきつける表情、衣文の流麗さなど完成度の高さに驚きます。交脚像・半跏像も一室に集められていて見応えがあります。日本では半跏像というと弥勒が多いようですが、釈迦が太子であった時代に愛馬カンダカと別れる場面の半跏像があります。珍しいところでは、平行した線で装飾された平行多線文造像の道教像が見られます。平行した線の模様はリアルな衣文が彫れなかった地方様式のようですが、装飾としてのおもしろさがあります。また、地方に展開し造られた、頭の大きな如来像や、中国古来の日月の模様が彫られた碑像もあります。最後の部屋にある雲崗石窟請来の仏頭、龍門石窟の供養人行列図など石窟寺院請来の品々も見逃せません。
大阪市立美術館での「北魏石像仏教彫刻の展開」は2013年10月20日で終わってしまいますが、またぜひ近いうちに同様なテーマで開催してもらいたい展覧会でした。
2013年10月18日金曜日
カイユボット展 ブリヂストン美術館
金曜日の夕方は東京駅近くのブリヂストン美術館に行ってみたくなるということで、「カイユボット展」へ。
ギュスターブ・カイユボットは1848年生まれ1894年没。印象派の画家たちのスポンサーでしたが、自らも絵を描き印象派展にも出展しています。
ブリヂストン美術館はカイユボットの《ピアノを弾く若い男》を購入したこともあると思いますが、今回の展覧会は気合いが入っています。60点以上のカイユボットの各地の美術館にある作品や個人蔵の作品が展示されています。また、弟のマルシェル・カイユボットの写真が多数展示されています。それに加えて、当時のパリの町をデジタルな装置で辿れるような展示や、カイユボットの人脈を辿ってみられるような展示もあります。
当時の印象派の画家達のなかで、カイユボットは画家としての評価は高くありませんでしたが、今見てみると、当時のブルジョアジーの心象をたどるのに貴重です。造型的には、すこし奇抜な構図と、光の表現に、特徴があるように思われます。ビルの受けから下を見下ろしたような構図が合ったり、逆行の光の表現があったりします。
マネ、ルノアール、ピサロ、シスレーとは異なる、19世紀の印象派の画家を見てみたいと思ったら、一度は行ってみると良い展覧会だと思います。
「カイユボット展」は2013年9月29日までです。
ギュスターブ・カイユボットは1848年生まれ1894年没。印象派の画家たちのスポンサーでしたが、自らも絵を描き印象派展にも出展しています。
ブリヂストン美術館はカイユボットの《ピアノを弾く若い男》を購入したこともあると思いますが、今回の展覧会は気合いが入っています。60点以上のカイユボットの各地の美術館にある作品や個人蔵の作品が展示されています。また、弟のマルシェル・カイユボットの写真が多数展示されています。それに加えて、当時のパリの町をデジタルな装置で辿れるような展示や、カイユボットの人脈を辿ってみられるような展示もあります。
当時の印象派の画家達のなかで、カイユボットは画家としての評価は高くありませんでしたが、今見てみると、当時のブルジョアジーの心象をたどるのに貴重です。造型的には、すこし奇抜な構図と、光の表現に、特徴があるように思われます。ビルの受けから下を見下ろしたような構図が合ったり、逆行の光の表現があったりします。
マネ、ルノアール、ピサロ、シスレーとは異なる、19世紀の印象派の画家を見てみたいと思ったら、一度は行ってみると良い展覧会だと思います。
「カイユボット展」は2013年9月29日までです。
2013年10月14日月曜日
特別展「上海博物館 中国絵画の至宝」 東京国立博物館
今、東京国立博物館・東洋館の4階の1室で、上海博物館の北宋から清までの絵画が展示されています。内容が充実しているにもかかわらず、総合文化展の料金で観ることができます。(私はパスポートをもっているので、パスポートでOK)
五代の《閘口盤車図巻(こうこうばんしゃずかん)》は、日本でも話題になった《清明上河図》のようなタッチで、街中で粉を挽く風景が描かれています。細かい描写は必見です。
北宋、南宋時代は山水画が完成された時代です。今回は、北宋時代の王詵(おうしん)《煙江畳嶂図巻(えんこうじょうしょうずかん) 》、南宋の馬麟(ばりん)《楼台夜月図頁(ろうたいやげつずけつ)》など、見逃せません。
文人画が成熟したといわれている元代からは、長大な跋文が付いている銭選《浮玉山居図巻》、倪瓚《漁荘秋霽図軸》、一本の樹木が描かれている、李士行《枯木竹石図軸》、王冕《墨梅図軸》。異民族支配の中で文人はどのような表現に達したのか興味が尽きません。
明代の絵画では、職人画家の浙派と、文人画家の呉派を比較したりできます。どちらが良いというよりも、お互いに刺激し合って絵画が発展したように思われます。雪舟にどう影響したのかなどと観るのもおもしろいとおもいます。
清代では、惲寿平の《花卉図冊(8開)》が見応えがあります。無条件にきれいです。
今回の展示は作品の展示替えがあります、前期は10月1日から10月27日まで、後期が10月29日から11月24日です。それぞれ展示期間は1ヶ月ないので、見逃さないように注意が必要です。
普段オーディオ・ガイドは使わないのですが、今回のオーディオ・ガイドは詩の説明などがあり、役にたちました。
五代の《閘口盤車図巻(こうこうばんしゃずかん)》は、日本でも話題になった《清明上河図》のようなタッチで、街中で粉を挽く風景が描かれています。細かい描写は必見です。
北宋、南宋時代は山水画が完成された時代です。今回は、北宋時代の王詵(おうしん)《煙江畳嶂図巻(えんこうじょうしょうずかん) 》、南宋の馬麟(ばりん)《楼台夜月図頁(ろうたいやげつずけつ)》など、見逃せません。
文人画が成熟したといわれている元代からは、長大な跋文が付いている銭選《浮玉山居図巻》、倪瓚《漁荘秋霽図軸》、一本の樹木が描かれている、李士行《枯木竹石図軸》、王冕《墨梅図軸》。異民族支配の中で文人はどのような表現に達したのか興味が尽きません。
明代の絵画では、職人画家の浙派と、文人画家の呉派を比較したりできます。どちらが良いというよりも、お互いに刺激し合って絵画が発展したように思われます。雪舟にどう影響したのかなどと観るのもおもしろいとおもいます。
清代では、惲寿平の《花卉図冊(8開)》が見応えがあります。無条件にきれいです。
今回の展示は作品の展示替えがあります、前期は10月1日から10月27日まで、後期が10月29日から11月24日です。それぞれ展示期間は1ヶ月ないので、見逃さないように注意が必要です。
普段オーディオ・ガイドは使わないのですが、今回のオーディオ・ガイドは詩の説明などがあり、役にたちました。
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