2013年10月19日土曜日

北魏石像仏教彫刻の展開 大阪市立美術館

大阪市立美術館には中国石仏彫刻の山口コレクションがあります。山口コレクションは、もともと関西の実業家であった山口謙四郎氏(1886−1957)のコレクションで北魏、東魏、西魏、北周、北斉を中心とした石像仏教・道教彫刻120点以上からなっています。

今回は、山口コレクションを中心に、東京藝術大学大学美術館、台東区書道博物館、京都国立博物館、浜松市美術館などの作品を合わせて、北魏・東魏の石像仏教・道教彫刻60点を見ることができます。

見所は沢山ありますが、最初に入った所にある、天安元年(466年)の《如来座像》などプロポーションの美しさ、人をひきつける表情、衣文の流麗さなど完成度の高さに驚きます。交脚像・半跏像も一室に集められていて見応えがあります。日本では半跏像というと弥勒が多いようですが、釈迦が太子であった時代に愛馬カンダカと別れる場面の半跏像があります。珍しいところでは、平行した線で装飾された平行多線文造像の道教像が見られます。平行した線の模様はリアルな衣文が彫れなかった地方様式のようですが、装飾としてのおもしろさがあります。また、地方に展開し造られた、頭の大きな如来像や、中国古来の日月の模様が彫られた碑像もあります。最後の部屋にある雲崗石窟請来の仏頭、龍門石窟の供養人行列図など石窟寺院請来の品々も見逃せません。

大阪市立美術館での「北魏石像仏教彫刻の展開」は2013年10月20日で終わってしまいますが、またぜひ近いうちに同様なテーマで開催してもらいたい展覧会でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿