2011年11月26日土曜日

観無量寿経を読む

今、東京国立博物館の特別展「法然と親鸞 ゆかりの名宝」に11月3日に行きましたが、どうせならと、元をたどって、浄土三部経のひとつ観無量寿経を読んでみました。
岩波文庫、浄土三部経(下)、中村元・早島鏡正・紀野一義訳注。
ちなみに、観無量寿経のサンスクリット語文書は発見されてなく、その成立は良くわかっていないようです。

その内容を紹介しますが、お経に馴染んでいる方には、本当に釈迦に説法のようで申し訳ないと思います。私のメモだと思ってください。

概要。
昔、ラージャグリフ(王舎城)市にアジャータシャトル(阿闍世)という太子がいて、父なる王ピンピサーラを幽閉し、またピンピサーラを助けようとした母ヴァイデーヒー(韋提希)も幽閉してしまう。ヴァイデーヒーが嘆くと、それは釈迦につたわり、釈迦が目の前に現れる。そこでヴァイデーヒーはアミタ仏の〈幸せある所〉に生まれたいというと、釈迦は、仏国土を観想することにより清らかな行いができるようになる。そしてそのことによって西方の〈幸せのある所〉に生まれることができるようになると言う。
この序の部分の後に、13段階の観想方法が示される。
さらに、極楽世界に往生する者を、上品上生・上品中生・上品下生・中品上生・中品中生・中品下生・下品上生・下品中生・下品下生の九品に分けて、それぞれの仕方で極楽往生できるという、3観想が示される。
最後に釈迦の弟子のアーナンダーが、この教えのどこが一番大切ですかと訪ねる。すると釈迦が言われるには、仏を観ることに集中すれば、無量寿仏とアヴァローキテーシヴァラ(観音)菩薩とマハースターマブラーブタ(大勢至)菩薩を観ることができる。また、ただ仏の名と二人の菩薩の名を聞いただけでも、永遠に生と死に結びつけられ罪をまぬがれることができる。

というわけで、阿弥陀三尊や、阿弥陀来迎図には、阿弥陀仏、観音菩薩、勢至菩薩が表現されることになります。

また当麻曼荼羅には、観無量寿経にしたがい(感無量寿経変)中央に阿弥陀浄土図があり、その周辺に、王舎城の悲劇、十六観想、九品往生が描かれています。

今回の東京国立博物館の特別展とは離れますが、敦煌莫高窟の第45窟などにも、この「観経変」の図があります。観無量寿経を読んでから改めて観ると、新たな発見があるかもしれませんね。試してみよう。

ついでに、今までまったく気がついていなかったのですが、東急大井町線の九品仏の駅名の由来となっている「浄真寺」にある九体の阿弥陀仏は、それぞれ九品往生を表していたんですね。また今度行ってみよう。




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