2012年12月2日日曜日

琳派芸術II 出光美術館

今回の展覧会は、昨年東日本大震災で中断を余儀なくされた展覧会を、あらたて企画しなおし開催しようとするものです。内容は「1.金と銀の世界」「2.草花図の伝統」「3.江戸琳派の先駆者」「4.俳諧・機知・闇」「5.抱一門下の逸材」となっており、酒井抱一を中心とした江戸琳派の紹介です。

見所はなんといっても、酒井抱一の《風神雷神図屏風》《八ツ橋図屏風》《紅白梅図屏風》でしょう。《風神雷神図屏風》は俵屋宗達が描いたものを、尾形光琳が模写し、さらに酒井抱一が模写したもの。一つの絵がどう引き継がれていくかがわかります。《八ツ橋図屏風》は先日根津美術館で公開されていたボストン美術館蔵の尾形光琳《八ツ橋図屏風》の酒井抱一版になっています。《紅白梅図屏風》は酒井抱一の銀屏風表現を楽しめる一品になっています。

今回は酒井抱一以外で興味をひかれるのは、俵屋宗達の工房のしるしである「伊年」印の《四季草花図屏風》。酒井抱一を引き継ぐ江戸琳派の絵師、鈴木其一の作品。酒井抱一以前の江戸琳派の絵師、俵屋宗理の作品などでしょうか。

江戸琳派を見たいという方には見逃せない展覧会だと思います。出光美術館で12月16日まで開催です。

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