前半部分は以前このブログで感想を書いたので、今日は後半を中心に、面白かった展示を振り返って見たいと思います。
- 北魏の墓室内に置かれた高床《石床板》。獣面、左右の力士像、獣面の上の踊る人、獣面の下の二匹のとらなど、北魏が中国だけでなく西域の影響を受けていることがわかります。
- 北魏の《舞楽俑》。北方の人々が歌舞音曲を楽しんでいる様子が再現されています。
- 北魏の《童子葡萄唐草文脚杯》。ギリシャのデュオニソスに起源をもつ図像が、青銅に鍍金銀で描かれています。東西文化の交流の歴史に思いを馳せることができます。
- 東晋の《王建之墓碑》。あの有名な王羲之の一族の墓碑ということで、字はきっちりしていて格調を感じます。
- 呉の時代、272年製の《楼閣人物神亭壷》。瓶の上に楼閣など様々なものが一見雑然とのっけている焼物。これは変。なんのためにこんなものを作ったのでしょうか。
- 東晋の《蝉文冠飾》。金製のアクセサリーで、細工が細かい。
- 唐時代、大理石で作られた《金剛神坐像》。座っていながら体を斜めにして金剛杵を振り上げている。造形がダイナミック。
- 唐時代、越州窯で作られた《五花形盤》。中国秘色青磁の初期の作品だそうです。
- 唐時代《双鳥門鏡》。宝相華を銜えて飛翔する二羽の鳥の図柄が見事です。
- 寮の《銀製仮面》。死者の顔につけたものです。表現がリアル。
- 宋の《阿育王塔》。阿育王とはインドのクシャーン朝のアショーカ王のこと。阿育王塔とはアショーカ王が8万4千の仏塔を造ったという話に故事にちなんで造られたもので、本作品は、木胎に鍍金を施した銀板を被せ、その表面に水晶、瑪瑙、瑠璃などを嵌めこんだ豪華なものです。4面には「薩埵太子飼虎図」「大光明王施首図」「尸毘王救鳩図」「須大拏王図」が彫られています。
このブログでは一部の作品しか紹介できませんでしたが、この展覧会には面白いものがたくさんあります。会期は12月24日までですから、今まで中国美術には興味が無かった方も、都合がつけばぜひ行かれると良いと思います。
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