2012年12月3日月曜日

中国王朝の至宝 東京国立博物館 2回目

いつもの東洋美術・日本美術の同好のみなさんと一緒に、「中国王朝の至宝」展に行ってきました。私は今回2回目ですが、前回は唐のあたりで閉館時間になってしまったため中途半端になっていました。今日は頑張って最後までしっかり見ることができました。

前半部分は以前このブログで感想を書いたので、今日は後半を中心に、面白かった展示を振り返って見たいと思います。


  • 北魏の墓室内に置かれた高床《石床板》。獣面、左右の力士像、獣面の上の踊る人、獣面の下の二匹のとらなど、北魏が中国だけでなく西域の影響を受けていることがわかります。
  • 北魏の《舞楽俑》。北方の人々が歌舞音曲を楽しんでいる様子が再現されています。
  • 北魏の《童子葡萄唐草文脚杯》。ギリシャのデュオニソスに起源をもつ図像が、青銅に鍍金銀で描かれています。東西文化の交流の歴史に思いを馳せることができます。
  • 東晋の《王建之墓碑》。あの有名な王羲之の一族の墓碑ということで、字はきっちりしていて格調を感じます。
  • 呉の時代、272年製の《楼閣人物神亭壷》。瓶の上に楼閣など様々なものが一見雑然とのっけている焼物。これは変。なんのためにこんなものを作ったのでしょうか。
  • 東晋の《蝉文冠飾》。金製のアクセサリーで、細工が細かい。
  • 唐時代、大理石で作られた《金剛神坐像》。座っていながら体を斜めにして金剛杵を振り上げている。造形がダイナミック。
  • 唐時代、越州窯で作られた《五花形盤》。中国秘色青磁の初期の作品だそうです。
  • 唐時代《双鳥門鏡》。宝相華を銜えて飛翔する二羽の鳥の図柄が見事です。
  • 寮の《銀製仮面》。死者の顔につけたものです。表現がリアル。
  • 宋の《阿育王塔》。阿育王とはインドのクシャーン朝のアショーカ王のこと。阿育王塔とはアショーカ王が8万4千の仏塔を造ったという話に故事にちなんで造られたもので、本作品は、木胎に鍍金を施した銀板を被せ、その表面に水晶、瑪瑙、瑠璃などを嵌めこんだ豪華なものです。4面には「薩埵太子飼虎図」「大光明王施首図」「尸毘王救鳩図」「須大拏王図」が彫られています。
このブログでは一部の作品しか紹介できませんでしたが、この展覧会には面白いものがたくさんあります。会期は12月24日までですから、今まで中国美術には興味が無かった方も、都合がつけばぜひ行かれると良いと思います。

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