2011年12月7日水曜日

中山王陵の虎、長谷川等伯の虎

大型ネコ科好きにはたまらないのが虎の図像ですね。
最近、三匹の虎に会ったので、少し紹介します。


一匹目は東洋美術を勉強していて出てきた中山国の虎。中山国は中国で紀元前414年に現在の河北省に建国され紀元前296年に滅んだ白狄の国。1970年代から1980年代にかけて大きな王陵が発掘されました。ここにいるのは、そこから発掘された虎。右手で獲物を押さえて食しながら歩いている様子で、体は右向きにねじるようにしています。肩とお尻の上に円筒形のものが見えますが、ここに屏風をたて、ちょうど屏風の折れ曲がる所が虎の背中の上にくるようになっていたということです。目力が強い虎の顔、力が漲った手足、しなやかな胴体、まるまった尻尾、良いですね。

他の二匹は、2011年10月29年から12月18日にかけて、出光美術館で行っている「長谷川等伯と狩野派」展にいました。長谷川等伯の《竹虎図屏風》の右隻と左隻に、それぞれ一匹づついます。これは出光美術館のホームページにも載っていますので観てください。右の虎は虎らしい姿で身を低くして何かを狙っている図、左の虎は猫のように座って右の足で首を掻いている図。私が気に入ったのは右のとらの柔らかそうな毛で覆われた尻尾。筆でこんな表現ができるのはすばらしい。写真では判らないのでぜひ現物を観てください。

今日は、最近出会った、三匹の虎の話でした。

【Powered by Lion : こっちは私のネコ科のMAC OSの話です】


2011年12月6日火曜日

時をアートに

河原温は、1966年1月4日からその日の日付だけを描く《日付絵画》を作り続けています。時の経過自体がアートになっています。

ところで、視野をずっと広げてみると、
宇宙の始まりのビッグバンは137億年前。
地球の誕生は46億年前。
生命の誕生は40億年前。
生命が爆発的に多様化したカンブリア紀は5億4000万年前。
人類の誕生が500万年前。
ショーヴェ洞窟壁画が3万年前。
そして現在。
今後は、63億年後に太陽は膨張を始め赤色巨星になり、その時地球は太陽に飲み込まれないが、灼熱状態になり生物が生存できるような環境ではなくなる。
という事のようです。

だからどうという事は無いのですが。ふーんという感じですね。

ちなみに仏教では、弥勒は仏陀の入滅後56億7000万年後に姿を現し人々を救済する事になっているようです。

2011年12月5日月曜日

「なぜ?」に疲れたら癒し系

昨日「なぜ?」「なぜ?」で美しくなるという話をしましたが、でも時によってはあ〜疲れたなという時も正直な話あります。その時、あまり「癒し系」などというありきたりなタグを付けたくはないのですが、でもそういうものを求めてしまう事もあります。

そこで、いまお気に入りの癒し系は、イケムラレイコさんです。
東京国立博物館で、2011年8月23日から10月23日まで、「イケムラレイコ うつりゆくもの」という展覧会が行われたので観ている方もいらっしゃると思います。
たぶん、イケムラレイコさんを癒し系などと言ってしまうと、違うと言われそうです。ただ奇麗、可愛いではありません。引っかかってしまう「なぜ?」「なぜ?」も沢山あります、でもそこには「なぜ?」よりも、自然さ、昔どこかで会ったような感じがあります。

イケムラレイコさんは、1972年にスペインに行かれて、セビーリャ美術大学で学ばれ、その後、ベルン、ニュルンベルグに行かれて、現在はベルリンとケルンで活躍されベルリン芸術大学の教授を務められています。

「イケムラレイコ うつりゆくもの」展で見つけたものは、
油彩なのに薄塗で色の移り変わりのグラデーションが素晴らしい作品。
中が空ろになっている(頭が無いものもあります)女の子がなぜか下を向いて転がっている作品、これは言葉で書くような不気味さではなく、切なさ愛おしさのようなものを感じます。

東京近代博物館のWEBサイトに、「イケムラレイコ Side B」がありますから、ぜひ検索して行ってみてください。

ミュージアム・ショップで、イケムラレイコさんの作品を森本美絵さんが写真に撮った『うみのこ』を買ってしまいました。

ところで、今日の話題と変わりますが、この前の土曜日にギャラリー巡りをしていた時に、トイレの壁がコンビニ弁当の絵に取り囲まれているというシュールな空間を作っている、青山のトキ・アートスペースの方から、古い人はブニュエルを知ってますよねと言われて、そうだこれはルイス・ブニュエルだと思ったのですが、さてブニュエルのどの作品だったのか思い出さなかったのです。帰って調べたら、それは1974年のブニュエルの作品、「自由の幻想」でした。これはブニュエルが74歳の時の作品ですが、たいへんウィットにとんでいる作品です。その中で、食事は隠れて採るが、排泄は恥ずかしげも無く皆の前で揃って行うという場面が出てきます。青山のギャラリーとスペインの映画監督がつながっていました。

2011年12月4日日曜日

「なぜ」と問うたび美しくなる

何回か前に、東京都現代美術館のチーフキュレータの長谷川祐子さんが、NHK出版新書から2011年11月10日に出版された、『「なぜ?」から始める現代アート』に関して、何か書いてみたいと書きましたので、今日はそれを行ってみたいと思います。

最後まで読んで、最後に戻ってきたのが、はじめにの第一行目に書いてある、「私たちは「なぜ?」とか「これは何?」と問うたびに深く美しくなる生き物です。」という一文です。長谷川祐子さんはこの本の中で、色々な作家や、いろいろな「なぜ」に関して書かれています。それらはすべてこの最初の文につながっているように思います。

現代美術にかかわる人々は普通の美術館にくる人々から「現代美術は判らない印象派までなら判るのに」と言われ続け、その反論として「判らない事が良くはありませんか」と言うことがこの言葉になっているのかもしれません。でも、この中には単に反論でなく真実があるように思われます。少なくとも私の場合には。この「なぜ」がアートを見続ける原動力になっています。

なぜ、松井紫郎は、ぐにゃぐにゃなシリコンラバーを使った作品を作っているのだろうか。
なぜ、ホンマタカシは、林の雪の上に血かペンキかわからない赤いものがたれた写真をとっているのだろうか。
なぜ、束芋は、古い日本の台所の3次元空間を2次元の影像にしているのだろうか。
なぜ、高嶺格は、パレスチナ人問題を語る女性の影像を作っているのだろうか。
なぜ、名和晃平は、剥製のうえにレンズのように見える球体をはりつけた作品を作っているのだろうか。
またまた、阿弥陀のような本来は抽象的な概念を、なぜ擬人化して表現しているのだろうか、また、その擬人化の工夫にはどのようなものがあるのだろうか。

ここに挙げたのは、今年私が観て興味を持ったものの一部ですが、みんな「なぜ」ですね。

視覚表現のアートには、とくにこの「なぜ」を喚起する力があるように感じます。
他の芸術との比較で言うと、文学は、言葉で表現するために、「なぜ」の定義をしたり、「なぜ」を解いたりする方向に向かってしまい、「なぜ」を読者に投げかける力は美術に及ばないのではないでしょうか。また、音楽を聴いて、「なぜ」とはあまり思わないですね。

というわけで、アートを通じて「なぜ」をたくさん見つけたいですね。
長谷川祐子さんが、著作のなかであげているアーティストに関しても、観る機会を作りたいと思っています。

2011年12月3日土曜日

ギャラリー巡り

今年になってから、アート・ギャラリーに興味を持つ人が集まって、ギャラリー巡りをしています。

そこで今年行った所を振り返ってみます。

2011年2月5日
  • 小山登美夫ギャラリー
    • 〒135-0024 東京都江東区清澄1-3-2-7F (丸八倉庫ビル)
    • http://www.tomiokoyamagallery.com/
  • ヒロミヨシイ
    • 〒135-0024 東京都江東区清澄1-3-2 6F (丸八倉庫ビル)
    • http://www.kalons.net/index.php?option=com_content&view=article&id=79&lang=ja
  • KIDO PRESS
    • 〒135-0024 東京都江東区清澄1-3-2 6F (丸八倉庫ビル)
    • http://www.kidopress.com/
  • ショウゴアーツ
    • 〒135-0024 東京都江東区清澄 1-3-2, 5F (丸八倉庫ビル)
    • http://shugoarts.com/
  •  無人島プロダクション
    • 135-0022 東京都江東区三好2-12-6 渡邊ビル1F
    • http://www.mujin-to.com/
  • 資生堂ギャラリー
    • 104-0061 東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
    • http://www.shiseido.co.jp/gallery/
  • メゾンエルメス
    • 〒104-0061 東京都中央区銀座 5-4-1
    • http://www.art-it.asia/fpage/?OP=hermes
  • ポーラミュージアム・アネックス
    • 〒104-0061 東京都中央区銀座 1-7-7 ポーラ銀座ビル 3階
    • http://www.pola.co.jp/m-annex/
  • ギャラリー小柳
    • 〒104-0061 東京都中央区銀座 1-7-5 小柳ビル8階
    • http://www.gallerykoyanagi.com/
  • というわけで、盛りだくさんのスケジュールでした。清澄の倉庫ビルのエレベータは倉庫仕様ですから、ちょっと戸惑うかもしれません。

2011年3月5日

  • MISASHIN GALLERY
    • 東京都港区白金 1-2-7
    • http://www.misashin.com/
  • 山本現代
    • 東京都港区白金 3-1-1 3F
    • http://www.yamamotogendai.org/
  • 児玉画廊
    • 東京都港区白金3-1-15
    • http://www.kodamagallery.com/index_jpn.html
  • NANZUKA UNDERGROUND
    • 東京都港区白金 3-1-15 SHIROKANE ART COMPLEX 2F
    • http://nug.jp/
  • LONDON GALLERY
    • 東京都港区白金3-1-15
    • http://www.londongallery.co.jp
  • Take Ninagawa
    • 東京都港区東麻布 2-12-4 信栄ビル1F
    • http://www.takeninagawa.com
  • YOKOI FINE ART
    • 東京都港区東麻布 1-4-3 木内第二ビル 6F
    • http://www.yokoifineart.jp/
  • LOUVRE DNP MUSEUM LAB
    • 東京都品川区西五反田 3-5-20 DNP五反田ビル1F
    • http://museumlab.jp
  •  アート・コンプレクスの中の密度はかなり高いです。LONDON GALLERYは古美術。DNPはギャラリーではありませんが、面白いアートイベントを行っています、予約は必要です。
2011年4月2日
  • Yuka Sasahara Gallery
    • 東京都千代田区神田岩本町 4
    • http://www.yukasasaharagallery.com/
  • Fabre8710  (この時はまだ開業前の準備中でしたが、中を見せてもらいました)
    • 101-0042 東京都千代田区神田東松下町19 興亜第1ビルB1・B2F
    • http://www.fabre8710.com/
  • GALLERY TERRA TOKYO
    • 東京都千代田区岩本町 2-6-12 曙ビル 1F
    • http://www.galleryterratokyo.jp/
  • ギャラリー・ハシモト
    • 東京都中央区東日本橋 3-5-5 矢部ビル 1F SPACE355
    • http://www.space355.jp
  • Maki Fine Arts
    • 東京都中央区日本橋大伝馬町 15-3 内田ビル 1F
    • http://www.makifinearts.com/
  • gallery αM  (武蔵野美術大学が運営)
    • 東京都千代田区東神田 1-2-11 アガタ竹澤ビルB1F
    • http://www.musabi.ac.jp/gallery/
  • CASHI
    • 東京都中央区馬喰町 2-5-18 1F
    • http://cashi.jp
  • TARO NASU
    • 東京都千代田区東神田 1-2-11
    • http://taronasugallery.com
  • 3月11日の大震災の後で、Yuka Sasahara Galleryでは作品が倒れていました。
2011年5月14日
  • 新宿アイランド(オフィスビルの周辺にあるパブリック・アート)
    • 〒163-1312 東京都新宿区西新宿6-5-1
    • http://www.shinjuku-i-land.com/public_art.html
  • 東京都庁(パブリック・アート)
    • 〒163-8001東京都新宿区西新宿2-8-1
    • http://www.yokoso.metro.tokyo.jp/p-art/artwork.htm
  • 新宿三井ビル1F エプソン・ショールーム
    • 東京都新宿区西新宿 2-1-1
    • http://www.epson.jp/epsite/
  • YUMIKO CHIBA ASSOCIATES
    • 東京都新宿区西新宿 4-32-6 パークグレース新宿#206
    • http://www.ycassociates.co.jp
  • ケンジタキギャラリー
    • 東京都新宿区西新宿 3-18-2-102
    • http://www.kenjitaki.com/
  • 東京オペラシティアートギャラリー
    • 東京都新宿区西新宿 3-20-2
    • http://www.operacity.jp/ag/
  • 今回は、パブリック・アートをたくさん観ました。またマンションの中の行きにくい場所もありました。
2011年6月4日
  • エモン・フォトギャラリー
    • 東京都港区南麻布5-11-12 togoBldg B1
    • http://www.emoninc.com/
  • 1223現代絵画
    • 東京都渋谷区広尾5-19-4 SR広尾B1
    • http://www.gendaikaiga.com
  • TOKIO OUT of PLACE
    • 東京都南麻布4-14-2 麻布大野ビル 3F
    • http://www.outofplace.jp
  • MA2 Gallery
    • 東京都渋谷区恵比寿 3-3-8
    • http://www.ma2gallery.com
  • NADiff
    • 〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1丁目18-4 1F
    • http://www.nadiff.com/home.html
  • waiting room
    • 東京都渋谷区恵比寿西 2-8-11 渋谷百貨ビル 4B
    • http://www.waitingroom.jp/index.html
  • 1223現代絵画にあった、三輪美津子さんの、粘土で作ったものを絵に描いた作品が、面白かったですね。
2011年7月2日
  • 3331(オルタナティブ・スペース)
    • 〒101-0021 東京都千代田区外神田6丁目11-14
    • http://www.3331.jp/
  • 3331内 sagacho archives
    • http://www.sagacho.jp/ja/
  • 3331内 bambinart gallery
    • http://www.bambinart.jp/gallery/index.html
  • 3331内 アキバタマビ21
    • http://akibatamabi21.com/
  • 3331内 Gallery Jin
    • http://www.galleryjin.com/
  • galerla de muerte
    • 東京都台東区東上野 3-32-1 3F
    • http://galeriademuerte.com/
  • SCAI THE BATHHOUSE
    • 〒110-0001 東京都台東区谷中 6-1-23 柏湯跡
    • http://www.scaithebathhouse.com/
  • 今回は千代田区が運営しているオルタナティブ・スペース3331が目玉。中身は良くも悪くも色々。
2011年7月30日
  • 東京アートフェアに行きました
  • その後、「画廊からの発言、新生代への視点2011」へ
(もしかしたら飛ばした所が入っているかもしれませんが)
  • なびす画廊
    • 104-0061 東京都中央区銀座 1-5-2 ギンザファーストビル3F
  • 藍画廊
    • 104-0061 東京都中央区銀座 1-5-2 西野ビル2F
  • ギャラリー東京ユマニテ
    • 104-0061 東京都中央区京橋 2-8-18 昭和ビルB1F
  • ギャラリイ K
    • 104-0061 東京都中央区京橋 3-9-7 京橋ポイントビル4F
  • ギャラリー Q
    • 104-0061 東京都中央区銀座 1-4-12 楠本第17ビル3F
  • ギャラリー 現
    • 104-0061 東京都中央区銀座 1-10-19 銀座一ビル 3F
  • コバヤシ画廊
    • 104-0061 東京都中央区銀座 3-8-12 ヤマトビルB1F
  • ギャラリーなつか
    • 104-0061 東京都中央区銀座 5-8-17 GINZA PLAZA58 8F
  • ギャラリー58
    • 104-0061 東京都中央区銀座 4-4-13 琉映ビル4F 
  • 今回はアートフェアだけでなく、銀座近辺を廻りました。
7月末にギャラリー巡りを開催したので、8月は休み。
9月、10月は私の都合で欠席となってしまいました。

2011年11月12日
  • 不忍画廊
    • 東京都中央区八重洲1-5-3
    • http://www.shinobazu.com/top/index.htm
  • 日本橋高島屋 美術画廊X
    • 東京都中央区日本橋2-4
    • http://www.takashimaya.co.jp/tokyo/floor/f06.html http://blog-tokyo.takashimaya.co.jp/art/
  • ギャラリー・ショウ・コンテンポラリー
    • 東京都中央区日本橋3-2-9
    • http://www.g-sho.com/
  • ユマニテ+坂巻
    • 東京都中央区京橋2-8-18
    • http://g-tokyohumanite.jp/
  • nca
    • 東京都中央区八丁堀4-3-3
    • http://www.nca-g.com/
  • arataniurano
    • 東京都中央区新富2-2-5
    • http://www.arataniurano.com/
  • takurosomeyacontemporaryart
    • 東京都中央区築地1-5-11
  • デパートの中にも面白い現代アートの画廊がありますね。ncaは日動画廊の現代アート部門という位置づけです。
2011年12月3日
  • 「neuton tokyo」 3階建ての個人宅をギャラリーに改造、明るい雰囲気の気持ちよいギャラリー。
    • 東京都港区南青山2-17-14
    • http://www.neutron-tokyo.com/
  • 「ときの忘れ物」 年末セールを行っていました、オーナーの方に説明をしていただきました、版画作品がたくさんあります。ギャラリーの椅子やテーブルにもこだわりがありました。
    • 東京都港区南青山3-3-3
    • http://www.tokinowasuremono.com/
  • 「トキアートスペース」 "ほりけいし"さんの作家の母親の写真をベースにさらに写真のテクニックで作った作品を展示。ギャラリーの方は何かひっかかるところのある作品を展示すると言われていました。トイレに入ると、コンビニ弁当を描いた絵画作品に取り囲まれます。
    • 東京都渋谷区神宮前3-42-5
    • http://homepage2.nifty.com/tokiart/
  • 「hpgrp tokyo」 フャッションブランドがギャラリーを開いています。ブロンズを作成する時の湯道にたまった金属を使った伊藤一洋さんの作品を展示。ブロンズは5000年保つそうです。
    • 東京都渋谷区神宮前5-1-15
    • http://www.artdiv-hpf.com/tokyo/
  • 「TWS青山」 東京ワンダー・サイト青山では"クリエイター・イン・レジデンス"を行っています。ベトナムなどから来ているアーチストに活動内容を説明していただきました。ここでどんな事が行われているのかもっと知りたいですね。
    • 東京都渋谷区神宮前5-53-67 
    • http://www.tokyo-ws.org/aoyama/
  • 「spiral」 は槇文彦のポストモダンの建築。内部には大きなスパイラル上のアート展示スペースがあります。ホール裏の階段には荒木経惟の作品が隠されていました。ビルから外に飛び出すように宮脇愛子さんのメタルワークの作品があります。
    • 東京都南青山5-6-23
    • http://www.spiral.co.jp/c_profile/pdf/company_info.pdf
  • 「void+」 小さな展示室が2つあるギャラリー。作家の内海聖史さんがいらして、作品の趣旨を丁寧に説明していただきました。展示する部屋にあった作品を作る事を強調されていました。色がきれいな作品で気に入りました。大きな作品なので買えないですけど・・・・。ギャラリー訪問の醍醐味は作者に会える機会があることですね。 
    •  東京都港区南青山3-16-14
    • http://www.voidplus.jp/
というわけで、今年のギャラリー巡りは終わりです。多くのギャラリーへ行ったので、どんどん忘れていくのを防ぐために、一年分をまとめてみました。

     

2011年12月1日木曜日

静岡市美術館とレオナルド・ダ・ヴィンチ その2

静岡市美術館で、「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」展が、2011/11/3から12/25まで行われています。日本で、今、予算規模も小さいだろう美術館で、レオナルド・ダ・ヴィンチ?と疑問符を持ちながら、見に行きました。

この企画展は、静岡市美術館をはじめに、福岡市美術館、東京のBunkamuraザ・ミュージアムと巡回します。毎日新聞社が毎日新聞創刊140年記念事業として企画したもののようです。

当然のことと思いますが、レオナルド・ダ・ヴィンチの有名な油絵の作品が並んでいるわけも無く、レオナルド・ダ・ヴィンチの小さなデッサンや、レオナルド・ダ・ヴィンチの工房の作品、レオナルド派などのレオナルドに影響を受けた周辺の画家の作品の展示ということになります。

その中で、気に入ったのは、

  • ダ・ヴィンチの本当に小さな4cm X 4cm くらいしかないと思われる、《老人の頭部》。これは近くによって、よく見ると老いたさまが凄まじい。
  • ダ・ヴィンチの弟子のジャンピエトリーノの《マグダラのマリア》、これはルネッサンスというよりもバロック的に明暗がはっきりしたなかに、豊かな体と長く艶のある髪をもったマグダラのマリアが夢見るようにしているというもの。
あとは、ルーブルの《岩窟の聖母》と、ロンドン・ナショナル・ギャラリーの《岩窟の聖母》の間に、ダ・ヴィンチ工房で作られたという《岩窟の聖母》。これは本当にどれだけダ・ヴィンチが関与した者なのでしょうね、と疑問符がつきました。

その先に進むと、ダ・ヴィンチの後の画家たちによる《モナリザ》を模写した作品が、展示室いっぱいになっていました。これには少しうんざりでしたね。

というわけで、少し疲れてミュージアム・カフェのコーヒーへ。

静岡市美術館とレオナルド・ダ・ヴィンチ


出張が早く終わったので、半日休暇にして、静岡市美術館に行ってみました。

静岡市美術館は静岡駅から徒歩5分という行きやすい環境。こんなに駅に近い美術館は他に知りません。左の写真のビルの3階にあります。エスカレータの上に静岡市美術館と書いてあるのがわかりますか。

それでは美術館を紹介。

開館は2010年5月1日。できたばかりの美術館です。ビルの中でも国宝の展示も可ということです。財団法人静岡市文化振興財団が指定管理者となっています。

基本方針は次のように書いてありました。

しずおかの歴史や風土、伝統文化を継承しながら、あたらしい「しずおか文化」を創造し、世界に向けて発信します。


美術を主軸にデザインや工芸等、幅広いジャンルの展覧会をバランスよく実施します。


街にひらかれた「芸術文化の交流拠点」を目指します。


子供からお年寄りまで。みんなが集う、”いきいきした美術館”を目指します。


というわけで良くわかりません。何でもありということでしょうか。

過去の企画展を見ると
「ポーラ美術館コレクション展 印象派とエコール・ド・パリ」(2010/10/2-11/28)
「家康と慶喜−徳川家と静岡」展(2010/12/11-2011/1/30)
「棟方志功 祈りと旅」展(2011/2/11-3/27)
「ハンス・コパー展 20世紀陶芸の革新」(2011/4/29-6/26)
「没後150年 歌川国芳展」(2011/7/9-8/21)
「アルプスの画家 セガンティーニ -光と山- 展」(2011/9/3-10/23)

これを見ても特定の領域にフォーカスせずになんでもありですね。

エントランスや、ミューシアムショップ、ミュージアム・カフェは明るくオープンな雰囲気で気持ちよい空間になっていました。めんどうな事はいわず、市民が楽しく集まってくれれば良いというコンセプトのようです。

そこで、今開催している企画展が「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」展です。
今の日本の美術館で「レオナルド・ダ・ヴィンチ」の企画展、どうなになっているのか興味がわきますね。

この後は次に続きます。