2014年2月10日月曜日

ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860−1900 三菱一号館美術館

今三菱一号館美術館で「ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860−1900」展が開催されています。19世紀の英国絵画と言うとターナーとラファエル前派が有名ですが、ラファエル前派は1948年に結成された後、1853年頃にはもう自然解散してしまいます。その後は、ラファエル前派に参加したダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、ジョン・エヴァレット・ミレイ、ウィリアム・ホフマン・ハントは,それぞれ唯美主義へと繋がる活動を進めることになります。唯美主義はオスカー・ワイルドなどの文学のムーヴメントとしては知られていても絵画のムーヴメントとしてはあまり知られていないような気がしますが、今回の「ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860−1900」は、そこに焦点をあてています。

展覧会は、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館の所蔵品を中心に、絵画作品だけでなく、陶器、壁紙のデザイン、家具、建物のデザイン図、写真と多様です。これは唯美主義が、美しい絵画を求めるだけでなく、生活環境を美的にすること狙っていたことを示しています。

私が、ロセッティや、「オリンピアの画家たち」といわれたフレデリック・クレイトン、アルバート・ムーアの「美しい絵」と同じくらい気になったのは、

  • 唯美主義の作家たちの中で異色な、アメリカで生まれ、パリで絵画を習得し、ロンドンで活躍した、ジェイムス・マクニール・ホイッスラーの《ノクターン:黒と金−輪転花火》。ホイッスラーは、美しいものを求めるだけでない、絵画に革新を求めるアーティストです。
  • ウィリアム・モリス、ウォルター・クレイトンなどの壁紙。第二次世界大戦後、抽象表現主義の画家たちはオールオーヴァの絵を、壁紙のようだといわれて腹をたてましたが、この展覧会ではハイ・アートと言われるものと、装飾用の壁紙が並んでいます。アートとは何か、装飾とは何か、考えさせられます。
  • ローレンス・アルマ=タデマの《肘掛け椅子》。こんな形の椅子は見たことがない。無条件に一つ欲しい。もちろん、これが合う部屋といっしょに。こんな品物に出会えるのもこの展覧会の魅力になっています。


「ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860−1990」展は、とにかく美しいと言われているものを見たい人、19世紀英国の美術はどんなものだったのかに興味がある人にお薦めです。三菱一号館美術館で2014年5月6日まで開催されています。

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