江戸時代後期の画家として谷文晁という名前は聞いたことがあります。TVのお宝番組にもよく出てきます。でも谷文晁ってこういう画家だと言うイメージが湧いてきません。
今回のサントリー美術館の「谷文晁展」にいくと、その理由がわかります。谷文晁は、文人画の伝統にたちながら、中国清朝の画家で日本にも来ていた沈南蘋(しんなんびん)の絵も勉強し、明代の画院系の画派である浙派も取り入れたということです。つまり何でもあり。そういうわけで、これが文晁だという色がわかりにくいのだと思います。
また、社会人としても、松平定信とも親しく、酒井抱一ら文化人とも親交を結び、渡辺華山など弟子もたくさんもつという、人のネットワークをしっかり作った人だったようです。
誤解を恐れずに言えば、谷文晁は優秀で良い人のようだけれども、何か突き抜けたところのない人だったのかもしれません。先品も中途半端なように見えてしまうのは、そんな先入観のせいでしょうか。
そんな中で、こんな作品も制作したのかと思ったのが、《文晁夫妻影像》という、文晁と奥さんの阿佐子の二人の横顔のプロフィールをシルエットで描いた作品。どうして突然このような絵がでてきたのか興味がわきます。
サントリー美術館の「谷文晁 生誕250周年」は、明日(2013/8/25)までの開催です。
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