シャルダンの絵が好きだというのは、ちょっと恥ずかしいような気がします。美術には尖った所があるべきだといつもは思っているせいかもしれません。でも、シャルダンには引きつけられるものがあります。
三菱一号館の「シャルダン展 − 静寂の巨匠」に引き寄せられてしまいました。
シャルダンは1699年生まれですから、まさに18世紀の画家です。ロココが流行る時代に、当時のアカデミーの序列ではレベルが低いとされた静物画を描き始め、後に売れる風俗画を描くようになりますが、晩年になってまた静物画に戻って行きます。静物画が好きだったのでしょう。シャルダンの静物画は、17世紀オランダの静物画のように多くのものを配置し艶やかかに描くものではなく、シンプルな構図の中に数種類の果物を静かなたたずまいの中に置くような作品です。
桃の盆とぶどう
桃の籠とぶどう
すももの籠
水差しとフロマージュ・ブランのある静物
水差しときゅうりとさくらんぼ
木いちごの籠
ティーポットとぶどう
葡萄の籠
銀のゴブレットとりんご
桃の籠
ここに書いたのは今回の展覧会で展示されている作品です。
タイトルを見ただけでもおいしそうですね。
紅茶に浸したマドレーヌから小説を展開したプルーストもシャルダンに惹かれたようですが、それもわかるような気がします。
「シャルダン展」は三菱一号館美術館で2013年1月6日まで開催しています。
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