東京都現代美術館で「トーマス・デマンド」展が開催されています。トーマス・デマンドは現代ドイツの作家です。
トーマス・デマンドの作品は、人がものを認識する工程を意識させるようなものです。
東京都現代美術館では以前の企画展でもありましたが、今回も、最初の一巡はパンフレットなしで廻り、次いでパンフレットを見ながら廻ってくれというものでした。
最初の一巡。
いろいろな題材の模型を紙で作り、それを写真に撮った作品がならんでいて、「実物そっくり」「でもやっぱり紙で軽い感じ」「リアリティがないだけ奇麗」というのが感想。
パンフレットをもらっての一巡。
単に壁から外の光がもれている作品と思ったのは、ジャクソン・ポロックが使っていたアトリエの写真をもとにして、それを紙で再現し、さらにそれを写真にした作品であると判明。
単なるバスルームだと思ったのは、死体が風呂に浮かんでいるのを見つけた事件記者が、警察に届ける前に、中に踏み込んでスクープにしたことにより、物議をかもした写真を、紙で模型にして、それをさらに写真にした作品であると判明。
というような作品が続いて、頭がくらくらしてきます。
福島第一原子力発電所の事故後の制御室に最初に明かりをつけた時の写真から作った作品などもあります。
ものとは何、できごととは何、それを再現するとは何、表現するとは何、といろいろ考えさせられる展覧会です。
展覧会の会期はもう残り少なく、明日(7月8日)までですが、もしも明日時間がある方にはお勧めです
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