桂ゆきは、1913年生まれ1991年没のアーチストです。今年が生誕100年になります。
桂ゆきは、日本画と油絵を学んで、1931年21歳の時に、初個展「コラージュ展」でデビューしました。今回の展覧会では、桂ゆきの絵の特徴は(1)細密表現(2)コラージュ(3)戯画的表現であるとしています。
明治以後の日本の絵画、とくに前衛的であると評されている絵画には、古くさく感じるものが多くあるというのが、私の正直な感想ですが、桂ゆきの絵は今見て新鮮です。その理由は、画面構成力、テクスチャーの追求、色彩の選択の仕方にあるように思います。
人によっては戯画的なテーマに目がいくでしょう。大胆な画面構成、滑稽な動物の形態、楽しい童話的な雰囲気。ただ、私は、現代アートになぜ戯画的表現が必要なのか納得していない点があるので、戯画的な作品に関してはちょっと態度保留です。
桂ゆきは、日本の画壇やグループから距離を置いて活動した作家、世界を知ったうえで土着的ではない日本を表現した作家です。
「桂ゆき ある寓話」展は、東京都現代美術館で2013年6月9日までです。あと一週間で終了です。
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