2013年3月8日金曜日

フランシス・ベーコン展 東京国立近代美術館

フランシス・ベーコン、気になる作家です。1909年ダブリンで生まれて、ロンドンで仕事をし、1992年に亡くなっています。つまり、フランスでの美術界の変革、第二次世界大戦を挟んでの、アメリカ美術の隆盛の中で、それらのムーブメントから離れて、特異な作品を作り続けたわけです。

フランシス・ベーコンに関するイメージは、ベラスケスが描いたインノケンティウス10世の肖像画を翻案した作品に見られる、人の肉体と精神をエキセントリックにデフォルメしたような作品を描く作家というものです。そして、そんな作品は人間に対するシニカルな追求が生んだのではないかというものです。

とにかく、早く観てみたいという想いから、東京国立近代美術館の「フランシス・ベーコン展」の初日に行ってきました。

作品の分析的な話はこれから良く考えてみることにして、今日は実物を観ての印象を整理してみたいと思います。
まず、そうだったのかと思ったのは作品のサイズが思っていたよりも大きいということ。このサイズは、作品を分析的に鑑賞するというサイズではなく、また抽象表現主義のオールオーバーな作品のように環境になってしまうようなサイズではなく、まさに絵と観る人が対峙するようなサイズであったということです。つぎに、事前に予想していなかったことは、その画面が表現する内容に、そうだそういうふうにも感じられると、共感できたということです。周囲の空間と浸透しあう人間、肉的である人間、異形な形になった人間、浅い囲われた空間の中にいる人間に、そうだよねと思えるという感覚です。

まだ、一言でフランシス・ベーコンは何かとは言えませんが、やはりここには何かあるなという思いがわいてきます。ぜひ、いろいろなテキストも読み、また展覧会にも足を運び、フランシス・ベーコンとは何かを読み解きたいと思っています。

フランシス・ベーコン展は、東京国立近代美術館で2013年5月26日までです。

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