千葉市美術館で、5月20日まで「蕭白ショック!! 曾我蕭白と京の画家たち」展が開催されています。
会期も最後になって慌てて行ってきました。なぜ今まで行かなかったかというと、どうも蕭白は好きになれないだろうという予感があったため、では、なぜ行ったかというと、東京博物館で行っている「ボストン美術館 日本美術の至宝」にあった蕭白の「雲龍図」を見たためです。
なぜ蕭白が好きになれないだろうと思っていたかというと、曽我派という古くさい絵を元にして、マンガのキャラクターのような珍妙なテイストを加えて、なんとか受けを狙っていた絵師だろうと思っていたからです。
見た結果は、蕭白の事をものすごく好きにはなれないまでも、蕭白はすごいなと思いました。また機会があればまた見たいとも思いました。
理由の一つは、タッチのダイナミックさ。《牧童群牛図屏風》の牛がすごい。《唐獅子図》の獅子は、なんなんだこれは。
気持ち悪いだろうなと思っていた、問題の、《群仙図屏風》は、気持ち悪い前に表現力にびっくり。龍にのっている仙人の着物の乱れ具合、龍が巻き起こしている大気の渦巻き、ガマをかまっている女性の服の模様の緻密さ(これは図版ではわからない)、そしてこんなに変なものがたくさん描いてあるのに、全体として構図が破綻していない事。すごいですね。
《群仙図屏風》の左側にひっそり置かれていた、《美人図》もすごい。裸足で立って、物理的にあり得ないようなバランス、そしてなんとぼろぼろに破れた手紙を噛んでいる図です。同じ手紙つながりでもフェルメールの静謐な感じとはなんという差なんでしょうか。
というわけで、私に取っては新発見がたくさんあった、曾我蕭白展でした。いままでの食わず嫌いはなんだったんだと、少し反省。
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