もしかしたら、何でもない、風景や建物の写真。
でも、それにちょっとした説明が与えられると、それは人の記憶の記録に変容してしまう。
そんな写真が並んでいるのが、米田知子の「暗なきところで逢えれば」展です。
写真についている説明は・・・・・・
- 「サハリン島」より「帝政ロシア時代、囚人が掘ったトンネルの入口、”3人兄弟の岩”をながめて」
- 「Japanese House」より「日本統治時代に設立された台湾銀行の寮、後の中華民国中央銀行職員の家」
- 「積雲」より「平和記念日・広島」
- 「積雲」より「避難した村・飯館村・福島」
- 「Scene」より「 野球場-終戦直前まで続けられた特攻出撃の基地の跡/知覧 」
- 「見えるものと見えないもののあいだ」より「安部公房の眼鏡ー『箱男』の原稿を見る」
- 韓国国軍機務司令部だった建物「Kimusa」
- 「パラレル・ライフ:ゾルゲを中心とする国際諜報団密会場所」より「小石川植物園」
写真自体と、それに付けられた説明と、観る人の想いが重なったときに、作品が現われてきます。
森美術館の「六本木クロッシング2010展:芸術は可能か?」のアーティストトークで、米田知子さんが話された内容が、森美術館の公式BLOGに掲載されていますので、そちらも参照してみてください。
http://moriartmuseum.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-d030.html
「米田知子 暗なきところで逢えれば」展は、東京都写真美術館で、2013年9月23日までです。