実は、ラファエル前派は私の苦手な領域です。図像の象徴性、中世風物語への接近、生活と芸術をいっしょにしようなどと考えているウィリアム・モリスとの密接な関係、などがどうも好きになれない理由で、絵画はもっと純粋でなければいけないという思いです。
ところが、見てみると、引きつけられる所が多い、これは不思議でした。
気になった作品は、
- 黒チョークでバーン=ジョーンズ好みの女性が描かれている、《ディスベ − ピュラモスとディスベの物語》
- 運命を表す大きな車輪のそばに3人の男がいる、《運命の車輪》
- バーン=ジョーンズの自画像だと言われる、《魔法使い》
- 大きな海蛇が気味悪い、《果たされた運命:大海蛇を退治するペルセウス》
- 皆が寝てしまっている、《眠り姫 − 連作「いばら姫」》
19世紀の中世に憧れるイギリスに興味がある方は、展覧会に足を運んでみると良いと想います。展覧会は8月19日までです。
私がバーン=ジョーンズのことを嫌いでなくなったのは、古代中国美術を勉強しているせいで、へんな物語や、へんな造形に対して、免疫ができたせいかもしれません。