2014年9月7日日曜日

メトロポリタン美術館古代エジプト展女王と女神 東京都美術館

エジプトの美術というと、熱烈なファンか、最初から敬遠する人に別れるような気がします。
紀元前4400年頃から紀元まで4000年以上続く古代エジプトにロマンを感じるか、ピラミッドとミイラに象徴される現代からすると馴染みにくい葬祭儀礼を持つ文明と見るかによって異なるのかもしれません。
私は、数千年にわたって、同じイメージを作り続ける、そのときそのイメージとは何なのかという関心で、観に行きたくなります。現代の概念のアートではないイメージとは何なのでしょうか。

今回の展覧会は、ニューヨークのメトロポリタン美術館にある厖大なエジプト・コレクションから、女性という切り口で選択した作品が来日しています。約200点が全て日本初公開だそうです。

見所は、エジプトのハトシェプスト女王関連の展示です。ハトシェプスト女王は、紀元前1400年代の中頃に、夫のトトメス2世の死後、王位継承権をもつ継子トトメス3世の摂政となり、しだいに実権をとり王となったと言われています。歴史の中でたいへん珍しい女性の王という意味では、中国の則天武后のような存在でしょうか。アルカイック・スマイル的な微妙な微笑みを感じさせる像の頭部や、若い男性的な容姿のひざまづく像などが展示されています。石でできた像には、ギリシャ以降の理想的人体像への興味とは異なる、物質としての存在感を感じます。

他には、エジプトの女神関連の展示物や、アクセサリーがたくさん展示されています。展示は年代順ではないので、エジプト数千年の歴史の中でいつごろ作られたものなのかを確認しながら見ると良いかもしれません。

「メトロポリタン美術館古代エジプト展 女王と女神」は東京都美術館で2014年9月23日までの開催になっています。

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