作家のディン・Q・レは、1968年ベトナムのカンボジア付近で生まれ、ポル・ポト派から逃れて、アメリカに行き、写真とメディア・アートを学んだ作家です。
今回の展覧会は、すべて、ベトナム戦争にかかわった人々や、ベトナム戦争のイメージをテーマにした作品で、平面作品、立体作品、映像、インスタレーションで構成されています。
ベトナム戦争にかかわる写真のイメージを編んで作った作品。ベトナム戦争の有名な写真を大きく帯状に長くしてみた作品。
ベトナム戦争で使われたヘリコプターを「平和利用」しようとしたときに、人々が抱く想いを人々が語る作品。ベトナム戦争に様々にかかわった画家たちが想いを語るヴィデオ。
ベトナムの犠牲者、アメリカの犠牲者にかんする、数字を大きく伝える多くのポスターを並置した作品。
難民の小舟の難破の記憶を呼び起こすインスタレーション。
ハリウッド映画のベトナム戦争のイメージ。
さらには、軍服を着て、戦時の人のように行動してみることを趣味にしている、日本人のヴィデオ。
ある時代、ある地域で起こったことを、人はどう記憶するか、またその記憶とどう関わり続けるかを、考える展覧会になっています。
森美術館で開催されている、「ディン・Q・レ展 明日への記憶」は2015年7月25日から10月12日までの開催です。