12月は展覧会に行く時間をなかなかとれず、ブログを書くのも久しぶりになってしまいましたが、年内にぜひ行きたかった、森美術館で開催している「リー・ミンウェイとその関係」展に行ってきました。
リー・ミンウェイ氏は台湾生まれのアーティストで、イェール大学で彫刻を学び、ニューヨークで活動しています。
リー・ミンウェイは、個人と個人のつながりを、観客との対話によるパフォーマンスを通して、アートとして表現するという珍しい作品を作っています。
今回森美術館で行われているパフォーマンスを幾つか紹介すると、
(1)中国の、空が破れた時それを縫って直したと言われる「女媧」という女神を、凧にして上げてもらうプロジェクト
(2)観客に縫ってもらいたい品物を持ってきてもらい、会場でそれを観客と縫い手が会話しながら縫い、それを縫った糸とともに展示するプロジェクト(パンフレットに載っているプロジェクトです)
(3)抽選で当たった観客が対話しながら食事をするプロジェクト
(4)花を観客にもって帰ってもらい、帰りにだれか知らない人にそれをプレゼントしてもらうプロジェクト
(5)箱の中に入れた思い出の品物を、観客に開けてもらい見てもらうプロジェクト
(6)個人的な感謝や謝罪の手紙を書くプロジェクト
(7)ピカソの《ゲルニカ》を砂で描き、その上を大勢で歩いたのちに、きれいな色の模様とするプロジェクト
どうでしょうか、個人がひととつながることを意識化するプロジェクトが並んでいます。
また特別企画として、人のパーソナルな関係性をテーマにした、イヴ・クライン、鈴木大拙、アラン・カプロー、ジョン・ケージの作品なども展示されています。
それぞれのプロジェクトに関して、リー・ミンウェイが解説するビデオが流れているのですが、リー氏の穏やかな顔と声が印象的です。
展覧会の会期は2015年1月4日までとあとわずかですが、会期中無休で正月も開催してます。お勧めの展覧会です。